2025年3月以降リンクポケットで『サピエ』のサービスが使えなくなる理由

このことについて、『サピエ』個人利用会員の皆様には本年4月にサピエ事務局からメールで連絡されておりますが、ここで改めてご説明いたします。。

なお、詳細につきましては下記「参考」および「問い合わせ先」にてご確認願います。

理由

『サピエ』の情報漏洩対策のため実施するセキュリティ対策の結果、リンクポケットからの通信を受け付けなくなるためです。

インターネットでの情報通信における暗号化・なりすまし対策の仕組みとして「TLS」というものがあります。これにはいくつかバージョンがありますが、バージョン1.1以前のものは脆弱性の存在が確認されているため、2021年の時点で使用は非推奨とされています(*1)。

一方、リンクポケットで採用されているTLSのバージョンは1.0です(*2)。よって既にインターネット接続目的でリンクポケットを使うことは推奨されていないのですが、『サピエ』ではリンクポケットで「デイジーオンライン」サービスの利用が継続できるようTLS1.0への対応を継続してきました。

ですが今回の長期メンテナンスにおいて、『サピエ』でもTLSバージョン1.0および1.1への対応を終了することとなりました(*3)。

事実、現時点ではほとんどのインターネットサービスおよび閲覧ソフト（ブラウザ）ではTLS1.0および1.1が既定で「無効」になっています。
リンクポケットが発売された2011年当時はWindows（当時はWindows7）でもTLS1.1以降は既定が「無効」設定であり、翌年にリリースされたWindows8で初めて1.1および1.2が既定で「有効」になった時代だという点にご留意願います。
なお、Microsoft社も2024年10月31日をもって自社の各種サービスにおけるTLS1.0および1.1への対応を完全に終了するとのことです。

リンクポケットの製造・販売元である（株）シナノケンシでもリンクポケットをTLS1.2に対応させることを検討していましたが、最終的に「ソフトウェアのバージョンアップだけでは対応できない」「新製品をつくるくらいの対応が必要」という結論になりました。

（以下、プレクストークホームページの「お知らせ」に掲載された「【重要】サピエのシステム変更（TLS1.0、1.1無効化）によるプレクストーク製品の影響について」より抜粋）

プレクストークリンクポケットでTLS1.2へのバージョンアップを検討しましたが、ソフトウェアの変更だけでは対応できず、ハードウェアの変更が必要なことがわかりました。ハードウェアを変更するには新製品設計と同等の対応が必要なため、対応不可の判断に至りました。

加えて、仮に新製品が作られたとしても、昨今の半導体品薄状況などから考えると、販売価格は現行のリンクポケットのようなインターネットルータやCD-ROMドライブの同梱をやめたとしても一般的な日常生活用具の基準額（録音再生機で89,800円）に収まらない可能性が高いです（参考までに、有限会社エクストラで販売している携帯型デイジー機器「センスプレーヤー」の販売価格は、充電器やイヤホンなど最低限の付属品で99,800円です）。